低燃費で人気の高い軽自動車とハイブリッドカー。特に軽自動車は維持費が安く、ハイブリッドカーはエコという理由から販売も好調です。燃費の良い軽自動車とハイブリッドカーですが、それぞれ特徴があります。それらのメリットやデメリットを調べてみました。
軽自動車やハイブリッドカーを購入する理由として「燃費が良い」ことに注目しているユーザーが多いと思います。この燃費とは「ガソリン1Lで何km走れるか」を数値化したものです。
燃費には実際に走行したときの数値「実燃費」とカタログ上に明記されている「カタログ燃費」の2つがあります。「カタログ燃費」はカタログにも明記されているので簡単に知ることができますが、「実燃費」は実際に走行したときの燃費なので条件によって変化するため特に明記されていません。
またカタログ燃費には「10・15モード燃費」と「JC08モード燃費」の2つが明記されています。以前から使われてきた「10・15モード燃費」というのは10パターンの市街地走行、15パターンの郊外走行を想定した計25パターンの燃費計測から算出した値です。
そして新しくカタログへの明記が義務化されたのが「JC08モード燃費」です。こちらはより公道走行に近い条件で計測されたデータで「10・15モード燃費」よりも実燃費に近いものとされています。
今回の掲載燃費については、より実燃費に近い「JC08モード燃費」を使っています。あくまでもシミュレーションによる燃費なので、実際の燃費とは違う場合もありますので、よりリアルな燃費を知りたいようならインターネットのレビューや自動車販売店で聞いてみてください。
660ccという少ない排気量とコンパクトなボディで燃費がいい軽自動車。そこで今回は2014年8月現在に新車購入可能な軽自動車60車種を対象にカタログ燃費のランキング形式で発表します。燃費はJC08モード燃費で比較しています。
順位 | メーカー | 車名 | 燃費 | 新車価格 |
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1位 | スズキ | アルト エコ | 35km/L | 86-107万円 |
マツダ | キャロル エコ | 35km/L | 87-111万円 | |
2位 | トヨタ | ピクシス エポック | 33.4km/L | 76-131万円 |
スバル | プレオ プラス | 33.4km/L | 76-131万円 | |
ダイハツ | ミラ イース | 33.4km/L | 76-131万円 | |
3位 | 三菱 | eKワゴン | 30km/L | 108-137円 |
スズキ | MRワゴン | 30km/L | 115-139万円 | |
マツダ | フレア | 30km/L | 115-142万円 | |
スズキ | ワゴンR | 30km/L | 130-150万円 | |
スズキ | MRワゴン Wit | 30km/L | 132-159万円 | |
三菱 | eKカスタム | 30km/L | 130-159万円 | |
ニッサン | モコ | 30km/L | 119-165万円 | |
スズキ | ワゴンR スティングレー | 30km/L | 138-165万円 | |
マツダ | フレア カスタムスタイル | 30km/L | 140-168万円 | |
4位 | ホンダ | N-WGN | 29.2km/L | 116-151万円 |
マツダ | フレアクロスオーバー | 29.2km/L | 132-165万円 | |
スズキ | ハスラー | 29.2km/L | 107-166万円 | |
ホンダ | N-WGNカスタム | 29.2km/L | 137-167万円 | |
日産 | デイズ | 29.2km/L | 109-177万円 | |
5位 | ダイハツ | ムーブ | 29km/L | 110-157万円 |
スズキ | スペーシア | 29km/L | 126-162万円 | |
マツダ | フレアワゴン | 29km/L | 134-163万円 | |
スバル | ステラ | 29km/L | 111-166万円 | |
ダイハツ | ムーブ カスタム | 29km/L | 133-171万円 |
これを見ると、燃費30km/L以上が14車種と燃費が良いことが分かります。カタログ燃費なので実際はもう少し燃費が低下しますが、ガソリン代の高い昨今、この燃費の良さはありがたいです。新車価格も安い車種なら100万円前後なので、購入費もかなり抑えられます。
ガソリンとモーターによるハイブリッドシステムで、燃費が良さそうに感じるハイブリッドカー。実際にはどうなのか確認してみましょう。今回は新車で購入可能な国産ハイブリッドカー40車種の燃費をランキング形式で発表します。
順位 | メーカー | 車種 | 燃費 | 価格 |
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1位 | トヨタ | アクア | 37km/L | 174-228万円 |
2位 | ホンダ | FIT ハイブリッド | 36.4km/L | 168-217万円 |
3位 | トヨタ | カローラアクシオ ハイブリッド | 33km/L | 198-215万円 |
トヨタ | カローラフィールダー ハイブリッド | 33km/L | 214-240万円 | |
4位 | トヨタ | プリウス | 32.6km/L | 223-343万円 |
5位 | トヨタ | プリウスPHV | 31.6km/L | 293-411万円 |
6位 | マツダ | アクセラ ハイブリッド | 30.8km/L | 244-270万円 |
7位 | レクサス | CT ハイブリッド | 30.4km/L | 366-460万円 |
8位 | トヨタ | アコード ハイブリッド | 30km/L | 375-401万円 |
9位 | トヨタ | アコード プラグインハイブリッド | 29km/L | 514万円 |
10位 | ホンダ | VEZEL ハイブリッド | 27km/L | 225-275万円 |
燃費30km/L以上のクルマが9車種とハイブリッドカーの燃費の良さも良好。ただし、車体価格が高い傾向があり、ラグジュアリー志向のクルマも多いことがわかります。
軽自動車は普通乗用車に比べて、税金関係や安いため新車購入費もかなり安くなります。中でも大きく変わるのが自動車税です。普通乗用車の場合は排気量によって変わりますが、軽自動車の場合は一律7200円(2015年4月以降1万800円に増税)です。
さらに自動車取得税も普通乗用車の場合は3%ですが軽自動車は2%と安くなっています。自動車重量税も普通乗用車は500kg単位で税金が設定されていますが、軽自動車の場合は新車購入で9900円です。このように税金関係が安いため、新車購入時の費用、維持費ともに非常に安く抑えることが可能です。
一方のハイブリッドカーですが、普通乗用車のために税金関係は軽自動車と比べれば圧倒的に高くなります。ただし、新車購入時はエコカー減税が適応されるので、一般的なガソリン車を買うよりは抑えられます。とはいっても軽自動車もエコカー減税を受けられるので、購入費用だけで考えれば軽自動車が圧倒的に有利なことは変わりません。
スズキ アルトエコ グレードECO-L | |
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本体価格 | 862,920円 |
自動車税 | 0円 |
自動車取得税 | 0円 |
自動車重量税 | 0円 |
耳鼻席保険料 | 37,780円 |
リサイクル料 | 8,940円 |
登録(届出)諸費用、等 | 46,970円 |
合計 | 956,610円 |
トヨタ アクア グレードL | |
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本体価格 | 1,748,572円 |
自動車税 | 17,200円 |
自動車取得税 (減税額) |
43,700円 (−43,700円) |
自動車重量税 (減税額) |
22,500円 (−22,500円) |
自賠責保険料 | 40,040円 |
諸費 | 65,817円 |
リサイクル料金 | 9,130円 |
合計 | 1,880,759円 |
自動車の維持に必要な自動車税やガソリン代、駐車場代、自動車保険、車検費などをまとめて維持費と呼びます。維持費について軽自動車とハイブリッドカーを比較する場合、価格差が発生するのは税金とガソリン代、自動車保険、車検費用あたりです。
まずガソリン代ですが、燃費は軽自動車トップのスズキ アルトエコが35km/L、ハイブリッドカートップのトヨタ アクアが37km/Lと大差ありません。実際に走行した場合は運転の仕方や走行シチュエーションで変わってしまうくらいの誤差程度なので、ガソリン代は同等、引き分けです。
税金に関しては軽自動車が圧倒的に安いです。車検費用の多くは税金なので、同様に軽自動車の方が安くなります。自動車保険も大差ありませんので、総合すると費用面では軽自動車の方がランニングコストを抑えることが可能です。
軽自動車とハイブリッドカーを比べてみましたが、維持費や税金などのお金だけを比べると、やはり軽自動車のほうが上のようです。ですので燃費の良さや維持費の安さだけで選ぶならハイブリッドカーよりも軽自動車がオススメです。
ただ、ハイブリッドカーは燃費の良さだけでなく、走行音の静けさや売却価格が高めなど、バランスの良さが魅力です。特に人気の伸びは凄まじいので、良さげな最新車を探している人には一度乗ってもらいたい車です。