自動車を売却する場合、知人やネットオークションを利用した個人売買を除くと、自動車ディーラーに下取りに出す方法と買取専門店に売却する2つに分かれます。それぞれにメリット・デメリットがありますので、比較してからクルマを手放すことが大切です。
下取りとは現在の愛車を売却して、その自動車販売店で次に購入するクルマの購入資金に充てることです。ディーラーで下取りをする場合は、一般的には各ディーラーが用意した基本価格表をもとに、経年劣化やキズのダメージを減額して下取り価格を決定します。
基本価格表は定期的に更新されていますが、中古車市場の相場とは異なる場合があります。そのため実際の中古車相場よりも下取り価格が安いケースや、カーナビやホイールのパーツがプラス評価になることも少ない傾向にあります。
下取りを行なっているのは自動車ディーラーや一部の中古車販売店です。下取りの目的は次のクルマを購入するための資金なので、販売店側が購入するクルマの価格を考えながら金額を決める場合が多く、購入するクルマの値引き交渉次第では下取り価格を上乗せしてもらえることもあります。
愛車を売却して現金にすることを買い取りと言います。こちらは買取専門業者が行なっている場合が多く、メーカー・車種・年式・走行距離・クルマの状態・相場を基準に買取価格が決定します。相場は自動車業者オークション価格が基準です。
買い取りを行なっている業者には、大手自動車買取専門店も含めて多数あります。また買取専門の業者なので、下取りよりも高い査定額が付くことが多いようです。
また輸入車や改造車の専門業者もあり、買取専門店では査定額が付きにくいビンテージ車両や改造車両も買い取ってもらえる可能性が高まります。どんなクルマでも大手の買取専門店が高く買い取ってくれるわけではないので、オンライン査定サイトを使って査定額を知ることが大切です。
下取りのメリットは、ディーラーに直接クルマを売却するので手間がかからないことです。クルマの売却と購入を1店舗で行なえるため、書類の手続きも簡単で、新しいクルマが来る直前まで今のクルマに乗れます。買い取りとは違い、クルマがない期間がなく、代車を用意する必要もありません。
また、次のクルマを購入する時に下取り価格の相談ができます。例えば値引き額の上限が20万円なら、下取り価格を少しプラスしてもらう交渉ができます。ディーラーによっては下取りキャンペーンを行なっていることもあり、必ずしも買取専門店の方がお得というわけでもありません。
(例えば下取りや査定額0円の古いクルマでも一律5万円下取りなど)
デメリットは、買取価格よりも安いことが多いことです。買取専門店は名前の通り、買取を行なっている業者です。そのため下取りよりも高額になりやすいのです。少しでも高く売りたい時には、下取り前に買取価格をチェックしておきましょう。
買い取りのメリットは、買い取りを専門に行なっている業者なので、下取りに比べてクルマを売れやすいことです。
また買取業者はいくつかあるので、査定額を比較することもできます。人気車や年式の新しいクルマは、実績のある大手業者の方が高額査定になるケースが多いようです。またカーナビやホイールといったアフターパーツがプラス査定となるケースもあります。
買取業者の中には、下取り価格がつかない古いクルマやビンテージカー、輸入車、改造車、水没車といったクルマを専門に買い取っている業者もあります。
現金が手に入る点も買取の魅力です。次の自動車を購入する頭金に使えるだけではなく、ローン残債の支払い、貯金したって問題ありません。下取りのように同一店舗でクルマを買う必要もないので、自由にクルマ選びを行なうことができます。
デメリットとしては、クルマの売却と購入が別業者になるため、若干手間がかかるということです。買取が終わらないと査定額が手に入らないので、次のクルマを購入するまでの間にクルマがない状態になることもあり、代車を用意しなければいけない場合もあります。
査定額は買取の方が高くなる傾向はあります。さらにアフターパーツによる査定額アップ、下取りが難しい車両でも買い取ってもらえるなどメリットを感じます。とはいえ、下取りでも査定額が変わらない場合もありますし、必ず買取の方が高いとは言えません。そこで両方の査定額を聞いた上で検討した方が良いでしょう。
買取の方がよい場合は、次に購入するクルマが決まっていない、または購入する予定がないときです。そのほか古いクルマや改造車といった下取りが難しいクルマなどは買取がベターです。
次に下取りの方が良いケースですが、次に購入するクルマのメーカーや車種が決まっている場合です。こういった場合は手間も掛かりませんし、査定額次第では下取りを利用した方がラクです。