近頃、何かと話題になっている車中泊。道の駅やサービスエリアの整備とともに注目を集めるようになりました。けれども、まだまだ誤解している方が僕の周りにもたくさんいます。
でも実際は全然そんなことはありません。ちょっとした工夫でその魅力は無限大!車中泊は休暇の限られた時間の中で、やりたいことを最大限に引き出せる最高の手段です。
しかも、スタイルに合わせたDIYやグッズ購入自体にも楽しさがいっぱい。ここでは、車中泊の魅力や車中泊に合ったクルマ選びまでを紹介します。
車中泊を何となく避けている人の中には、節約以外にメリットがないと考えている人も少なくありません。車中泊のメリットはたくさんあるんですが、ここでは3つの大きなメリットを紹介します。
宿をとらないと、満喫しきれないほどの自由が生まれます。
宿のある場所に行く必要もなければ、“チェックイン”と“チェックアウト”や“朝夕食”などの決められた時間がありません。雨が降っている西の方角が嫌なら晴れている東の方角へ向かえばいいのです。昼の渋滞が嫌なら夜中の空いている時間に走ればいいのです。
道の駅、公園の駐車場など「ここでいいや」と思うところが宿です。今日はもう運転しない訳ですから、お酒をたしなみながら綺麗な夜景を…なんてことも可能です。
場所と時間の自由は、節約と並ぶ車中泊ならではの大きな魅力です。
「ここに行って」「あそこに行って」と朝早くからの予定を立てておきながら、結局当日になると宿でウダウダ。もしくは自分が起きても家族が起きない。チェックアウトぎりぎりで動き始めて時計を見れば正午近く。せっかくの休暇を利用して遠くまで来たのに…なんてことはありませんか?
車中泊のいいところは、そのフットワークの軽さです。目の前にある運転席は、朝早くからの行動を促してくれます。家族が寝ていてもシートベルトだけしてもらって目的地に行くことが可能です。もちろん、快適な車内でウダウダするのも自由です。
また、朝早くはどこにも人がいません。有名観光地でも空いていますし、アクティブに動くアウトドアでも周りを気にせず目一杯楽しめます。
富良野のラベンダーを独り占め。安比高原のゲレンデに自分だけのシュプールを描く。北アルプスの雄大な山々を背景に朝露が光る花を撮る。適度に弱い湘南のオフショアでサーフィン。どんな人気スポットでも、他に邪魔する人がいない極上の空間は、さらなる満足を与えてくれることでしょう。
近くの大きなホームセンターに行けばDIY用品としてさまざまな商品が売られています。また車中泊グッズもカー用品店にあふれんばかりに並んでいます。“快適な居住空間”や“コンセプトにあわせた収納”など、車中泊の先駆者の知恵を借りて本やネットから情報収集して実行すれば、アッとゆう間にその辺の宿なんかよりも快適なスペースになってしまいます。
今夜のホテルが見つからない! ― 車中泊を少しだけ楽にしてくれる「Inflatable Car Mattress」 http://t.co/ZefVS3As1s pic.twitter.com/9wva7EoTLG
— えん乗り (@ennorijp) 2014, 8月 14
【安くて車中泊に適している車】 ・モビリオスパイク 別名、「走る秘密基地」。最大194cmの完全なフラットスペース。 荷室高もあり車内移動にストレス無し。 必要十分な走行性能。燃費良い。走行7万km程度であれば総額50万以下で購入可能 pic.twitter.com/J5Bs84nvn2 — 全国☆自動車情報局 (@car_news_kuruma) 2014, 8月 9
また、レンタカーでも快適な車中泊は可能です。僕も最初はレンタカーに布団を積み込んで車中泊しました(笑)寝袋やカーテンなど、どんなクルマを借りても使えるグッズは購入して損はありませんし、レンタカーでの車中泊経験はマイカーでの車中泊をより具体的に想像する良いキッカケになったので、後のクルマ選びで大いに参考になりました。
メリットがあればデメリットがあります。けれども、しっかりとした下調べ、少しのお金と工夫で十分改善することが可能です。
防犯対策と寝心地対策がそのツートップです。防犯は窓にスモークフィルムを貼ったり、危険そうな場所には停めないようにしましょう。ちなみにお風呂とご飯、トイレに洗面がよくデメリットと言われますが、僕は必ずしもそうとは思いません。お風呂とご飯に関しては、温泉巡りや現地の名産を食す人にはむしろメリットです。
さらに、最近の道の駅には綺麗なトイレや洗面もあり不便を感じることはないと思います。ルールとマナーをしっかり守れば、快適な車中泊ライフが約束されています。
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さて、車中泊はどんなクルマでも可能と言えば可能ですが、車中泊に合ったクルマを選ぶことで快適度が格段に変わります。ここでは、座席をフラットにして寝られることを前提とした5つのタイプのクルマを紹介します。
このクラスの代表格であるトヨタ・ハイエースは車中泊の王道と言っていいでしょう。その魅力は何といっても室内の広さです。車内幅は1500mmを確保できるので大人2人と子供1人くらいなら快適に横になれます。MTBも余裕で積載、アウトドア派でも荷物の多さに四苦八苦することがありません。物足りなくなれば改造してキャンピングカーにすることもできるので、その未来の可能性は無限です。
ファミリー層を中心に大きく売上げを伸ばしてきたミニバン市場。日産・セレナやトヨタ・ヴォクシーがその代表格ですが、あげればキリがないほど車種は充実しています。
そもそもキャンピングカーを購入せずに車中泊をする方は、その出費もさることながら、普段の取り回しを考えて避ける場合も多い…となるとクルマの長さや幅の大きいワンボックスでは少し条件から外れてしまいます。その点、ミニバンは普段の買い物から狭い道まで問題なくこなせる丁度いい大きさ。なのに、たくさん乗れて積めます。
ただし最近は企業努力で、フルフラットにしても凸凹が大きい車種が増えてきたことが難点です。と言うのも乗り心地のいいシートは「体をしっかりと包む=凸凹ができる」んですよね。車中泊には逆効果。古い年式のクルマを選択するか、タオルを詰めたりカーグッズなどを利用して、より良い寝心地を工夫する必要があります。
国産4WDの代表であるトヨタ・ランドクルーザー、一昔前はクロカン(クロスカントリー)と言われたクラスもここに含まれます。アウトドア派だと悪路を通らざるを得ない場面にもよく遭遇しますが、SUVなら心配ありません。4WDと大型タイヤとそのパワーが真価を発揮してくれることでしょう。スキー場なんかに飾ってあるのは大体SUVです。
積載能力は先述した2クラスからは劣るものの、オールラウンドな走行性能と、街乗りでもかっこいいスタイリッシュさが魅力です。
スバル・レガシィツーリングワゴンは日本におけるステーションワゴンの代名詞。セダンに乗り慣れたシニア層でも違和感ないドライブが可能、運転好きなお父さんにも人気のクラスです。ただし問題は限られた車内空間。大人2人の寝場所は確保できるものの、車内高の低さからくる圧迫感、寝る時には窓の近さからくる暖気や冷気への覚悟が必要となります。
とはいえ、その加速度やコーナリングなどは他のクラスには真似できない要素。走りに妥協しない方、シニア夫婦など2人で車中泊をする方にも最適なクルマです。
ここ数年で驚くほど増えたのが軽ベースのキャンピングカーです。つまり車中泊においてもその能力の高さが発揮されることは間違いありません。
スズキ・エブリィが人気を博しているこのクラスは、ハイルーフで車内幅も1200mmほどは取れるので広さは十分です。そして取り回しと燃費の良さ・維持費の安さは何にも代え難い“軽”だけの特典です。
いつもとは違った時間を過ごすことができる車中泊。もちろん宿に泊まるより狭かったり、不便だったりするところはあります。けれども不自由さは、慣れてしまえばなんてことありません。それよりも大きな自由がありました。
明日の天気予報を見て、ベストコンディションの目的地で自由を満喫してみてください。一回体験すると、病みつきになる開放感がありますよ。