任意保険にはノンフリート等級という制度があります。これは保険料を決定する要素のひとつで、保険料の割引率や割増率のランクです。一般的には「等級」と呼ばれます。
ちなみにノンフリート等級は9台以下のクルマを所有している場合の契約に用いられ、10台以上のクルマを所有している場合はフリード契約となります。10台以上ということなので一般的には法人契約と考えてもらって問題ありません。
ノンフリート等級は1等級から20等級までの20ランクに分かれており、20等級は一番割引率がよく、1等級は割増となります。はじめて自動車保険に加入するときは6等級からスタートします。
では、どういった事故で等級がダウンするのでしょうか? まず3等級ダウンする事故ですが、一般的には対人賠償や対物賠償、自損事故、車両保険での修理などで、一般的な交通事故を起こせば3等級ダウンすると考えてもらって問題ありません。
次は1等級ダウンのケースですが、車両保険などに加入していて火災や台風、洪水といった自然災害、また盗難や落下物との衝突といった偶然発生した事故に対して保険を使用した場合です。
そして等級がダウンしないノーカウント事故というものもあります。これは無保険車傷害事故、そのほか人身傷害保険や搭乗者保険だけを請求する場合、弁護士費用特約やファミリーバイク特約などを請求が該当します。
このように事故を3つに分けて計算しています。
自動車保険に新規登録する場合は6等級からスタートになります。また2台目以降のクルマを新規登録する場合は、一定条件を満たすことで7等級からスタートになる場合もあります。
新規加入する場合の等級と割引率(割増率) | ||
---|---|---|
6等級 | 全年齢補償 | +28%(割増) |
21歳以上補償 | +3%(割増) | |
26歳以上 | -9%(割引) |
※契約車両が自家用車である
2台目のクルマを新規登録する場合の等級と割引率(割増率) | ||
---|---|---|
7等級 | 全年齢補償 | +11%(割増) |
21歳以上補償 | -11%(割引) | |
26歳以上補償 | -40%(割引) |
※1 1台目の契約が11等級以上である
※2 1台目、2台目以降のクルマがいずれも自家用車である
※3 2台目以降の記名被保険者、車両所有者が1台目と同一である
以上のように新規契約で6等級からスタートする場合でも運転者の年齢制限によって割引率は変わります。年齢条件を付けることで保険料を安くすることができますが、その年齢に達していない人が運転した場合は保険が適応されないので注意してください。
2台目の登録については、3つの条件を満たしていることで7等級からスタートになります。
自動車保険はノンフリート等級によって保険料の割引率(割増率)が決められています。これは事故をせずに保険金を使っていない人は保険料を安く、事故や車両保険を利用して保険金を使った人は保険料を高くするためです。
また保険料のルールを決める損害保険料利率計算機構によってノンフリート等級の制度が変わりました。新制度によるノンフリード特約は平成25年4月1日(保険会社によって開始時期は違う)から開始になりました。
改正前のルールでは過去に事故をした有無に関わらず、ノンフリート等級での割引額は一定でしたが、改訂によって過去の事故の有無によって割引額に差を設けました。
割引率(割増率)は20等級で最大63%割引(事故ありの場合は44%割引)、新規契約時の6等級で19%割引、1等級で64%割増となっています。
ノンフリート等級と割引率(割増率) | ||
---|---|---|
等級 | 無事故 | 事故あり |
1等級 | +64%(割増) | +64%(割増) |
2等級 | +28%(割増) | +28%(割増) |
3等級 | +12%(割増) | +12%(割増) |
4等級 | -2%(割引) | -2%(割引) |
5等級 | -13%(割引) | -13%(割引) |
6等級 | -19%(割引) | -19%(割引) |
7等級 | -30%(割引) | -20%(割引) |
8等級 | -40%(割引) | -21%(割引) |
9等級 | -43%(割引) | -22%(割引) |
10等級 | -45%(割引) | -23%(割引) |
11等級 | -47%(割引) | -25%(割引) |
12等級 | -48%(割引) | -27%(割引) |
13等級 | -49%(割引) | -29%(割引) |
14等級 | -50%(割引) | -31%(割引) |
15等級 | -51%(割引) | -33%(割引) |
16等級 | -52%(割引) | -36%(割引) |
17等級 | -53%(割引) | -38%(割引) |
18等級 | -54%(割引) | -40%(割引) |
19等級 | -55%(割引) | -42%(割引) |
20等級 | -63%(割引) | -44%(割引) |
新制度によって事故をすると割引率が悪くなります。この事故による割引率が悪くなる期間を事故有係数適応期間と言います。
その期間は事故を起こしてから1年~6年です。1等級ダウンの事故を起こした場合は1年、3等級ダウンの事故を起こした場合は3年間有効で、1年ごとに1年が精算されます。
少し難しいですが、1等級ダウンの事故を起こした場合に1点、3等級ダウンの事故を起こした場合に3点のように事故を起こすと点数が加算され、1年で1点減ると考えるとわかりやすくなります。
例として3等級ダウンの事故を起こしたとしましょう。翌年は事故ありの割引率になり、なおかつ3点を保有した状態からスタートします。2年目には2点、3年目には2点、4年後に0点となり無事故の割引率に戻ります。
しかし、さらに翌年に1点の事故を起こした場合、2年目に1点が加算されて3点、3年目で2点、4年目で1点、5年目で0点として無事故の割引率に戻るわけです。
これまではノンフリート等級のみを考えればよかったのですが、改訂によって事故の有無で割引率が大きく変化するようになりました。等級がよくても過去に事故があれば割引率は少なくなってしまいます。
そのため保険料を安く押さえるには事故を起こしても修理費と保険料を考え、小さな事故では保険を使わないようにするなどの工夫が必要です。
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