自動車は高い買い物です。現金一括で購入できればベストですが、実際はローンを利用する人が多いでしょう。そんな自動車購入のために設定されているのがマイカーローン。取り扱っている金融機関によっては「自動車ローン」「オートローン」とも呼ばれます。
自動車購入を目的としたローンのため、目的が自由なフリーローンに比べて金利が低く抑えられているのがポイントです。このオートローンは新車・中古車問わず購入に利用できます。
またクルマの購入以外にも自動車免許取得や修理代、車検代といった目的にも利用可能です。そんなマイカーローンの仕組みや種類、メリットやデメリットなどを解説します。
オートローンには、大まかに2つのタイプがあります。1つ目が銀行や信用金庫、JAが扱っているローン型。そのメリットは金利が安いということです。
具体的な金利は3~7%前後が一般的。そのぶん審査がきびしく、手続きに時間がかかる、金融機関に足を運ぶ必要があるなどの手間がかかります。
2つ目はクレジット型。こちらは自動車ディーラーや中古車販売店から申し込む、一般的なローン形態です。メリットは比較的審査が緩く、手間がかからないという点。自動車購入時に申し込むことができるので、難しいことを考える必要はありません。
ローン型とクレジット型の比較 | ||
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ローン型 | クレジット型 | |
取扱機関 | 銀行、信用金庫、JA、労働金庫 | 信販会社、自動車ディーラー |
金利 | 安い | 高い |
手続き | 面倒、金融機関で申し込み | 簡単、販売店で申し込み |
審査 | 厳しい、時間がかかる | 簡単、短時間で終わる |
クルマの所有権 | 購入者本人 | 信販会社や自動車ディーラー |
上記はローン型とクレジット型の違いをまとめたものです。自動車販売店から申し込むクレジット型は審査が簡単です。
ただし、金利が多少高い、ローンが終わるまでクルマの所有権が信販会社や自動車販売店になるので売却時に手間がかかるといったデメリットがあります。
ローン型は金利が安いですが、手続きや審査を自分でする必要があるため手間と時間がかかります。購入者本人が資金を借り入れするので、所有権が購入者本人になり、売却しやすいといったメリットがあります。
オートローンを利用するには、一定の条件があります。一般的には以下の条件を満たしている必要があります。
金融機関によって条件は変わりますが一般的には以上のような条件があります。
条件を満たしていればオートローンを利用できますが、ローン型の場合は勤続先の会社情報や勤続年数、年収について詳しく審査されるため、自営業や派遣社員、アルバイトだと審査に通らないケースもあります。
その点でクレジット型は比較的審査が緩く、審査落ちするケースは少ないというメリットがあります。
実際にマイカーローンを選ぶときのポイントを解説していきます。
まずはマイカーローンの基本は「金利が安い=審査が厳しい」ということです。これを意識して自分に合ったマイカーローンを選ぶ必要があります。
単純にローン型の方が「金利が安い=良い」というわけではありません。ローン型は金利が安い分、自分で銀行に足を運んで手続きをする必要があり、審査に1〜3週間程度の時間がかかります。
クレジット型なら購入店舗で申し込みができるので手間もかからず、審査も簡単です。
そして気になる金利ですが、「固定金利」と「変動金利」という2種類があります。一般的には変動金利の方が安くなる傾向がありますが、変動金利は完済するまで総支払額が分かりません。固定金利は契約した時点で総支払額も決定します。
一見、変動金利の方が得に感じますが、金利が上昇して完済時に総支払額が想定より高くなるといった可能性も含みます。そこで短期なら変動金利、5年以上といった長期ローンなら固定金利と使い分けた方が安心です。
また、ローンというと金利や月々の支払い額に目が行ってしまいがちですが、大事なのは総支払額です。月々の支払いが少ないからといって長期ローンを組むと、同じ金額のクルマを購入しても総支払額は増えてしまいます。その辺りも考慮して、生活に無理のない月々の支払額を決定しましょう。
最近人気なのが「残価設定ローン」です。これはクルマを購入してから3年後や5年後の売却価格を計算し、その金額を差し引いた額でローンを利用する方法です。
簡単に説明すると、車体価格500万円で3年後の売却価格300万円と設定された場合、3年間ローンで200万円だけを支払えばよいということです。
一見、非常に便利なシステムに感じますが、キズや事故によって購入時の設定価格と売却時の価格に差が出た場合、その差額は自己負担になります。もし事故を起こして廃車になってしまった場合は、ローンの残債+設定価格が手元に残ってしまいます。
残価設定ローンを利用すれば、少ないローン支払額でクルマを購入することができますが、それには大きな落とし穴があることも理解して、慎重に判断してください。