ニッサンの好調な売れ行きを支えている「e-POWER」ですが、果たして良い事ばかりなのでしょうか。
完全なモーター駆動のみで発生するデメリットなどをご紹介していきます。
ニッサンのノートの最大の目玉として登場した「e-POWER」ですが、その仕組みは100%モーター走行のほとんどEV(電気自動車)のようなものです。
参考:wiki?e-POWER
エンジン駆動+モーター駆動のハイブリッドから更に機能として向上させ、完全にモーターのみで駆動する機能が特色です。
エンジンを積んでいますが、このエンジンは駆動には一切使用しておらず、発電にのみ利用しているのが特徴で、元々ニッサン、リーフのEVをベースにハイブリッドモデルを仕立てる事で開発されました。
e-POWERの仕組みは完全モーター駆動の所ですが、完全にモーターのみの駆動であると言うことは、高速走行時には余計に電力を食うという事。
エンジン駆動の場合、シャフトを回す分だけ動作すれば良いのですが、モーターの場合、その構造上、コイルが回り続けますので電力が消費されてしまいます。
検証は出来ていないのですが、140km/Lを超えるような速度を出そうとすると、モーターの規格上限の13000rpmを超えてしまい、モーター保護制御に引っかかってしまい、高速回転が抑えられてしまいます。
この為、バッテリーの最大充電の状態でも最大速度は160km/Lとも言われています。
これはe-POWERに限った事では無くハイブリッド車も同様なのですが、モーター駆動による宿命とも言えるもので、ホンダi-MMDや三菱OutlanderPHEVは、高速走行でのエンジン直結駆動という機構をわざわざ搭載しているほどです。
完全なEV車であるリーフと違って、ノート用のバッテリーは、およそ40キロワットのコンパクトなものです。
開発者インタビュー:日産NOTE e-POWER【開発者編・その2】
モーター自体はリーフと全く同じものを利用しており、リーフ自体は大きいバッテリーを積んでおよそノートの倍である80キロワットの出力を得る事が出来るスペックを持っています。
搭載スペースの都合や足りない電力はエンジンで補えば良い、という考えから削減されていますが、本来はもっとトルクを出す事が出来るのに、かなり抑えられてしまっているのが殘念な所です。
とは言っても他社のハイブリッド用バッテリーに較べて1.5?2倍近く大きいものなので、その点で開発者は相当な苦労があっただろうと推察出来ます。
開発側が拘ったのは、加速時のレスポンス、加速度の高さです。
これはほんのちょっと踏み込むだけで、一気に加速出来る点でとても優れた機構です。
こちらの開発インタビューでは、GT-Rにも匹敵するような加速度を得る為に工夫した以下のコメントが記載されています。
「発進時、モーターが力を発生すると、その大きなトルクに寄って駆動系がねじれて振動が発生します。そのためインバーターを制御することで10000分の1秒単位でトルク制御を行い、なめらかかつ力強い加速を実現しています。」
これは一見、とても良い部分だとも取れるのですが、逆に言うと軽く踏んだだけでもすっ飛んで行く可能性があります。
最近では高齢者ドライバーのブレーキとアクセルの踏み間違えなどにより、コンビニなどに突っ込んでいくような事例が増えていますが、そのような場合にでも加速を行ない始めの時点では、あまりにレスポンスが良すぎるのは逆にデメリットにもなり得ます。
そういった意味では、これまでより、より慎重にアクセルペダルを踏みこむ必要があるかもしれませんね。
ノート限定の話になりますが、Sモード・ECOモードがかなり厄介のようですね。通常のNORMALは普通のAT車の挙動ですが、Sモード・ECOモードにすると、アクセルを戻すだけでブレーキが自動でかかるという仕組みです。
これは渋滞時などに、一々、アクセルとブレーキを踏み込む手間を減らす為に考案されたもので、アクセルを戻すと強めのブレーキがかかるのがSモード、弱めのブレーキがかかるのがECOモードです。
また、ブレーキランプも自動でアクセルを離している時にかかるようなので、知らず知らずのうちにブレーキランプを点灯させてしまい、後ろの車に迷惑をかけてしまっている事も有りえます。
渋滞中などに限って利用するのが良さそうですね。
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