今回は車検が切れてしまった車両と車検が切れる前の車両についてレポ-トして行きたいと思います。
その前に、根本として日本中古車査定協会の規定によって車検満了日の3ヶ月前より査定ダウンとする事が決められています。
まずは、その事を頭に入れて頂きたいと思います。
つまり、査定評価をする場合には車検満了日の3ヶ月を切った時点で対象車両の基本となる価格から減額されているのです。
では、なぜそのように査定ダウンしてしまうのでしょうか?その辺りを説明して行きたいと思います。
極端ではありますが、車検に通らない車があったとします。
買い取り業者とは言っても全てが車のプロという分けではありません。
車を査定する事ができる人と、車の査定もできて点検修理もできる整備士では能力にあまりにも差があります。
どちらかと言うと、この世の中に多く存在するのは前者の方です。車屋と言いましてもあくまで営業職にあたる人がほとんどです。
整備士上がりの方も中にはいるかもしれませんが、整備工場と隣接している車屋でない限りは修理は業務委託として外注に出します。
つまり、買い取りを行った後には、修理が必要であれば経費を使って整備を依頼しなければいけないのです。
修理工場であれば、人件費は掛かりますが作業工賃はその中から賄う事ができます。
つまり、車検に通らない・整備が必要な車であればあれば基本的には修理が必要だという事です。
しかし、車検が残っていたらどうでしょうか??
不具合として車検に通らないレベルなら問題ですが違法改造等であっても買い取りの後に販売するユ-ザ-に対して、「車検には不適合なので車検の時までにはにはきちんと整備して下さいね」と説明をすれば販売可能です。
限度にもよりますが、実際はグレ-ゾ-ンであっても日本の車検制度を考えれば通ってしまうのが現状です。
日本中古車査定協会の規定では違法改造の場合は現状の復帰に戻す実費相当分を査定額を減額するように記載はありますが、商売上先程のような手段を取る車屋さんはいくらでもあります。
契約書にきちんと記載すれば、その時点で販売側の責任ではなくなってしまうのでなおさらです。
では、車検が切れてしまっている場合であればどうでしょうか??
車検に切れてしまっている場合は先程のようなグレ-ゾンの商売を販売店もできません。
車検がない状態で車検に不適合な状態の車を販売しようと思うと、まずは車検に通さなければいけません。
公認車検で通る範囲であれば構わないのですが、明らかに違法改造であればそれを現状復帰させる必要があり、その費用が必要となります。
多少大げさには書いていますが、実は街中を走っている車の半数は違法改造車です。
道路交通法の緩和により30年程前と比べると警察からお咎めを受ける事もないからです。
ですが、車検は別です。通らないものは通りません。それに加えて、修理が必要となった場合でしょう。
少しぐらいの不具合であれば車検付き車両であればお客さんに説明して販売するケ-スがあります。
しかし、車検が残っていなければその部分を修理しなければいけません。
なので、それを考慮して車検が残っていない場合は減額される事がほとんどでしょう。
最後に、車検が残っていない場合でもうひとつ減額対象となる理由があります。
いつかは車検を受ける事になりますので結局は同じなのですが、車検が残っていない場合は車検を再取得する為に税金関係の手続きや車検取得の為に手間が掛かるからです。
買い取り店によっては継続車検を受けて、車検を取った状態で販売する事もある為買い取り時には税金等を考慮して減額するのです。
いかがでしたでしょうか?
車検付きと車検ないの買い取り金額に差が出る理由は以上になります。
車両売却時に少しでも役立ててもらえればと思います。