ローンを組んで購入したはいいものの、仕事が忙しいなどの理由で全く乗っていない車はありませんか。そんな車をそのまま保有し続けるか売却してしまうか、考えどころですよね。
車はたとえ乗っていなくても、維持費がかかるのはご存知でしょう。まず、自動車税がかかります。これは、毎年4月1日時点で自動車を保有している人が自治体に納める税金です。
車の種類によって金額も異なり、軽自動車でしたら7200円ですが、フィットやノートなど排気量が1リッター以上1.5リッター以下のコンパクトカーでしたら34500円、セレナやヴォクシーなど排気量が1.5リッター以上2リッター以下のミニバンでしたら39500円となります。
これだけでもかなりの出費ですが、自動車を乗り続けるためには2年に1度車検を受けなければなりません。乗らなければ車検を受けなくてもいいのではと思いますが、車検が切れている車は公道を走ることができませんので、ほぼ役立たずです。
車検費用も、車種や年式などによって異なりますので一概には言えませんが、法定費用だけでも軽自動車は3万円から4万円程度はかかります。コンパクトカーでも5万円程度はかかってしまいますので、2年に1度とはいえかなりの金銭的な負担です。
それに加えて、部品に異常が見つかれば交換や修理をしなければなりませんので、数万円はかかります。駐車場を借りている場合、毎月最低でも1万円は支払う必要があります。
あまり乗らないのでガソリン代などはかからないと想定しても、乗らない軽自動車に支払うお金を月割してみると、1か月で12300円程度のお金を乗らない車に支払っている計算となります。これは非常にもったいないので、車を売却すれば少なくともこのお金はかかりません。
しかし、ローン返済中の車を簡単に売ることはできません。ローン返済中の車の所有権はオーナーにあるのではなく、ローン会社にあります。
ローンでお金を貸している担保としてローン会社が車の所有権を押さえているのですが、これですといくらオーナーが売りたくても、ローン会社が首を縦に振らない限りは売れません。しかし100%売れないわけではなく、ローン会社もしっかりとローン返済をしてくれるのであれば所有権を解除して売れるようにしてくれます。
もし、ローンの残債を買取金額が上回るのであれば、買取金額でローンを完済できますので、ローン会社も喜んで所有権解除に応じてくれるでしょう。ローン残債が買取金額を上回る場合には、買取金額を充ててもまだローンが残ります。
それならば、車を売らずにローンをひたすら返済していき、完済したら車を売却すればいいのかというと、それはお勧めできません。前述したように、乗らないで放置してある車でも、毎月12300円程度の維持費はかかる計算となります。
毎月のローンの返済金額もそれくらいな場合が多いですので、例えていうならば二重ローンを抱えている状態です。おまけに、ローン完済を待っている間、車の価値はどんどん低下していきます。
車の買取価格は年式がものを言いますので、何もしていかなくても年式は経過していく車はどんどん価値を下げていきます。車の買取価格は走行距離によっても決まり、乗っていない車は一見有利なようですが、ほとんど乗らない車はエンジンや足回りにダメージが蓄積される可能性が高いです。
車は適度に乗ってあげることで良い状態をキープできるものですので、ローン完済を待ってから売ったのではあまり高額買取は期待できません。乗らないと分かったらすぐにでも売るのが賢明な選択でしょう。