2014年4月に、これまで5%だった消費税が、3%アップして8%となりました。これだけでも大変なのに、2017年4月にはさらに2%アップして10%になるのです。日本も北欧並みの高税率社会となりそうな予感ですが、北欧ほどの高福祉社会となっているわけではないので、不安は尽きませんね。
一部非課税の商品を除いて、消費税は等しく全ての商品に課税されています。消費税が8%の現在、100円の商品に対しては8円の消費税が課税されますが、当然ながら価格が高い商品ほど消費税の額は多くなります。
例えば、100万円の中古車を購入した場合、消費税の額はその8%である108万円となるのです。さらにこれが10%にもなろうものなら消費税だけで10万円になり、実に増税前よりも2万円アップとなります。
そうなると、増税後は車の販売台数が落ち込むのは目に見えて明らかです。自動車は日本の基幹産業でもありますので、自動車産業の落ち込みを政府も看過するわけにはいきません。
新車や高年式の中古車を購入する際には自動車取得税がかかるのですが、増税のタイミングに合わせて自動車取得税の減額をすることになっています。しかし、自動車取得税の減額幅よりも消費税の増額幅の方が大きいので、やはり合計金額は高くなります。
さらに、高年式でない中古車は自動車取得税がかからないので、消費税の増税分がそのまま値上げとなってしまうのです。
このような状況からも分かる通り、増税前の駆け込み需要ということで、増税前には中古車の販売台数が増えました。10%に増税されるタイミングは4月ですが、その前の2月や3月は、それでなくても新車や中古車が一番よく売れるシーズンであります。
新社会人や大学入学予定者が、こぞって車を購入、あるいは家族の進学などに伴って自宅の車を買い替えるケースも増えてくるからです。特にコンパクトカーや軽自動車の中古車は、手ごろな価格で取り回しも良いことからフレッシャーズに人気です。
中古車を購入するならば増税前がいい、と一見思いがちですが、必ずしもそうとは言えません。というのも、増税前の年度末は、中古車販売店にとってまたとない追い風の状況だからです。
通常の年度末であれば、値引き幅を大きくしたりオプションサービスを付けて販売するところですが、そこに増税の追い風が吹いているのならば、値引きやサービスをしなくても売れていきます。ユーザーにとって注意すべきは、登録が3月31日か4月1日かでは、適用される税率が変わってきますので、3月中に車を決めたとしても安心しないでください。
それでも残ってしまった中古車は増税後も売れないことが予想されますので、販売店としては在庫処分の意味合いでさらなる大幅値引きやサービスの拡充などをせざるを得ません。結果的に、増税後の方がお得に買えたなんてケースもあります。
中古車販売店としては、値引きをしなくても高く中古車が売れる増税前の状況ですので、中古車の調達費用にも余裕が出てきます。つまり、車の買い取り費用を高くしてもらえる可能性があるのです。
魅力的な中古車は販売店としてもぜひともほしいところですので、買い取り費用も奮発してくれる可能性があります。そもそも、中古車は生鮮食品のようなもので、何もしなくても鮮度(年式)は落ちていきます。
増税というイレギュラーな事態が起こらなくても、いち早く売却した方が中古車はお得です。仮に増税後に売却しようものならば、売れない時期の売却ですので、買取価格も冷え込んでいることでしょう。