予期せぬ交通事故によって、車が損傷してしまった場合、これからも乗り続けるためには修理に出さなければなりません。しかし、その程度にもよりますが修理費用が意外と高くなってしまうケースも多く、場合によっては廃車にして新しいものに交換した方がメリットが大きいこともあります。
では、買い替えるか、修理に出すか、その判断はどのような点を目安にすればよいのでしょうか。
まず、事故をおこした車がどのくらい古いのか、ということがポイントになります。車の価値は、新しい状態で購入してから5年ほどで半分になり、8年から10年たつと走行距離やボディーの劣化なども目立つようになり、市場での価値はほぼゼロになってしまいます。
修理費用は、この価値に大きく影響を受けます。古くなり、価値が下がれば下がるほど保険会社は費用を負担してくれなくなるのです。
例えば購入してから5年目の車で事故をおこし、その傷を修復するのに150万円の費用がかかったとします。しかし、その時点で価値が100万円しかなかった場合、保険会社に請求できるのは100万円までとなってしまうのです。
つまり、修復するのにかかった費用が車の価値よりも上回ってしまった場合、残った50万円は自分で支払わなければならないのです。
また、何年後かにわざわざ50万円を上乗せしてまで修復した車の寿命がきた際に、新しい車に買い替えようと買取や下取りに出したとします。しかし1度傷ついた部分をなおしているために、価値が下がってしまいます。そして、最終的には非常に安い値段でしか引き取ってもらえなくなってしまうのです。
そう考えると、古い車の場合は修復しないまま手放すという選択をする方がよいでしょう。この場合、保険会社が認めた100万円 のうち、消費税分を差し引いた金額を修復費用としてではなく、損害として受け取ることができるのです。この方法なら、受け取った100万円を有効活用することが可能です。
修復していない傷ついた状態でも大丈夫なのか、と不安に感じる人もいるでしょう。しかし、壊れた車を専門に扱っている業者であれば、意外と高額で買い取ってくれるケースも多いのです。そのため、まずは修理を依頼する前に、こうした業者に見積もり査定を依頼しておくのがポイントです。
見積もりを見て、市場でどの程度の価値があるのかを把握しておけば、後々もっとこうしておけばよかった、と後悔することもないでしょう。
このように、どのような選択をすればお金を有効活用できるのかは人によってそれぞれです。そのため、まずは複数の業者で見積りを出してもらうほか、保険会社とよく相談することが大切です。