何かを集めるという行為は、とても楽しいものです。切手、コイン、果てはビールの空き缶まで、世の中にはいろいろなものをコレクションしている人がいます。
私が見てきた中で最も変わっているコレクションは「ニコチン・ガム」。ニコチン・ガムとは禁煙外来などで出されるタバコをやめるためのガムですが、海外のとあるコレクターはこのニコチン・ガムの噛み終わった屑を集めているそうです。
このコレクターは6年かけてニコチン・ガムをひたすら噛んで噛んで噛みまくり、なんと9万2500個ものガムからなる超巨大なニコチン・ガムボールを作ってしまったのだとか。重さは約80kg、直径は約50cmもあるというこのニコチン・ガムボール。これだけガムをかんだらタバコもやめられそうなものですが、このコレクターはいまだにガムをかむことを辞められないとか……
とまあ、世の中にはいろいろと珍しいものをコレクションする人がいるわけですが、いきなり我々がこんな変なものをコレクションするのには勇気が要ります。周りの視線とか、お金とか、スペースとか、いろいろな問題を解決しなければなりませんからね。
本来趣味のことで他人からとやかく言われるような筋合いはないのですが、その一方で他人に自慢できるような趣味を持ちたいというのもまた人情。そんな複雑な心情を満たしてくれるのが、ミニカー集めです。
ミニカーはミニチュアの自動車です。小さいころに集めていた経験があるという方も少なくないでしょう。
ミニカーコレクションの一番良いところは、安く自分がほしい車を集めることが出来るということです。お金がたくさんあったらタレントの所ジョージさんみたいに実際の自動車を集めることもできますが、芸能人でも何でもない我々にあんな真似はとてもできません。
しかし、お金がないからと言ってほしいものを我慢するのはとてもつらいことです。そんな欲望をほとんど満たしてくれるのが、ミニカーという存在なのです。ミニカー収集はお金がない方でもウェルカム。ミニカーはものにもよりますが、安いものならば数百円程度です。参考までにタカラトミーの一般的な商品の単品価格は450円です。
お金に余裕がある方ならばさらに上のランクのものを買ってもいいでしょう。たとえば、グッドスマイルレーシングのランボルギーニ・カウンタックLP400。サイズは1/12、お値段はなんと12万円!
もちろんお値段以上の価値は確実にあります。最新の3Dスキャナー技術で本物を採寸し、インテリアまで本物そっくり。各種ライトや潜望鏡はもちろん、自重によるたわみまで表現された精巧な作りはファンならば垂涎モノです。
ミニカーの世界では、貴方は複数台の自動車のオーナーに簡単になることが出来ます。もちろん、維持費や駐車場代、税金なんてものは一切かかりません。車検なんかも受ける必要はないのです。
「そうはいってもミニカーなんて子供のおもちゃでしょ?」なんて侮ってはいけません。現代のミニカーには昔の常識では考えられないようなすごい機能が搭載されているのです。
たとえば、タカラトミーが発売している人気ミニカーシリーズの「チョロQ」。ぜんまいばねで稼働するシンプルな仕組みのおもちゃですが、2014年9月には障害物を自動でよけてくれる「自動運転」の機能を持ったチョロQが発売されます。
ヘッドライト下の赤外線センサーが自動的に障害物を見つけ、それを自動でよけて走るという優れものです。重さ17gと非常に軽量で、わずか10秒間の充電で1分走るため、充電の手間に煩わされることなくは走りに没頭することが出来ます。おもちゃとは思えないクオリティで希望小売価格も3780円とお手頃、ミニカー収集の第一歩としては最適です。
さて、ミニカー集めのコツですが、最初はテーマを持って一定の基準を満たしたもののみ集めるようにすると楽しくなります。たとえばクラシック車を中心に集める、トラックを中心に集めるなど……。
テーマを持って集め始めるとミニカーの世界観が固まっていき、部屋の中に独自の空間を作れます。きれいにディスプレイして並べれば、子供のころかなわなかったミニカー王国の完成です。
さて、ミニカーを集めるだけでは飽き足らなくなったら、ミニカー関連のイベントに参加してみるといいでしょう。ミニカー専門のイベントというわけではありませんが、毎年3回、横浜産業貿易ホールでおもちゃの蚤の市「ワンダーランド・マーケット」が開催されています。
イベント当日はビンテージミニカーなどを取り扱う販売者が多数出展し、海外でしか手に入らないようなレア度の高いミニカーも手にすることが出来ます。次回のイベント開催日は2014年12月14日です。イベントを通じて同じ趣味の人と知り合うことが出来れば、趣味にもより一層ハリが出来ますし、そこから恋人や仕事のパートナーが見つかるかもしれません。ここだけの話、ミニカーのような大人の遊びは結構な社会的地位をお持ちの方もたしなんでいるそうですよ……。
さて、こんなにも楽しいミニカーの世界ですが、実は一個だけ欠点があります。それは実車じゃないので乗れないということ。何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、ミニカー集めの欠点はこれくらいしかないのだからしょうがありません。
スペースも取らず、お金も大してかからず、とっても楽しいミニカー集め。決して手の届かないカーディーラーに展示された自動車を眺めてため息をつくような毎日から脱却して、ミニカーの世界にどっぷりとはまってみませんか?